2010年4月28日水曜日

驚きももの木 広島家元LIVE  思い出すのは

海外40カ国以上でデモンストレーションをすれば なかでも印象深い国や都市はいろいろあります。仕事が大変だったところ うまくいったところ いかなかったところ 考えさせられたところ。終わってジーンときたところ。

そのひとつが ワシントンD.C.の ケネディセンターでの デモンストレーションです。
先代の家元 勅使河原宏先生がそこでデモをなさることになり 私も随行することになりました。
500席は売り出しそうそう完売になってしまったそうで、宏先生は大きな作品をなさるので 福島は小さい作品を 次の日に同じ会場でデモンストレーションをするようにといわれました。

晴天のへきれきというのはこのことでしょか。
家元のデモをみられないかたたちが 次の日変わりに福島のデモを???????!!!!!!!!!!
責任重大ということがこれ以上あるでしょうか。
それと私は 直前の3月後半の二週間、 スーダン オマーン サウジアラビアに派遣され そこでデモをすることとなっていて ワシントンに飛ぶのは この中近東アフリカの旅から東京に帰り わずか5日しかない。

丁度の年、私の節目の誕生日は このスケジュールがすべて終わってワシントンから東京に帰る日になる。この自分にとって記念すべき日 泣いて帰るか これからも頑張ろうと思うか。これから私の未来は、このデモンストレーションできまる と思ったものです。

ワシントンに飛んでその準備の日 アトリエスタッフと 草月のメンバーが朝早く待ち受ける中 楽器を運ぶ 長いトラックで 南のほうから桜の鉢植えが大量に到着しました。[ハーイ!)と運転席から顔を出したのは中年の女性で 息子と変わりばんこで夜走ってきたわよ! と 親子でおいしそうにマグカップのコーヒーを 口にしました。なんだか 私はそれを見て元気になりました。

家元の桜を使った舞台の大作に、ワシントンの観客はわきにわき スタンデイング オベーションで その幕を閉じました。

いよいよ次の日 私のデモンストレーションの幕があきました。 すると、前列に宏家元 眼力ですぐ気がつきました。隣にはお嬢さんで 北米局長の勅使河原季里さん。
それからのことは 実はあまりり覚えていません。
有能で これ以上考えられない 家元アトリエスタッフたちが ついてくださったおかげもあり 無事終えることができました。一週間前のサウジアラビア スーダン オマーンで 大使夫人はじめ多くの方の大変な協力はありましたが このワシントンでの花のエキスパートの協力は何物にも変えがたく ありがたさをひしひしと感じました。 
その前の晩 終わったらおすし屋さんで待っているからという 宏家元の言葉に 片付けもあるので と申しあげたところ いいからまっているとおっしゃっていました。

すべておわり アトリエスタッフの何人かとおすし屋さんにうかがいました。先生はカウンターに徳利を前に たったひとりでお待ちでした。 おつまみがちょこんとあり お箸が行儀よく箸おきに おかれていた光景を忘れることができません。
お疲れさま よかったよ、静かに言った一言で私の中の何かが解けていく感じがしました。

あれから 10数年。そしてこんどは 宏家元の次女でいらっしゃる茜家元のLIVEに 花を生けさせていただくのは 感慨深いものがあります。どこからか (福島君、よろしくね!)という声も聞こえてきそうで---頑張らなくちゃ!!

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