2010年11月13日土曜日

驚きももの記 もうひとつ


 
もうひとつありました。
スイスに支部ができて25年。ちょっとしたお祝いということで ケーキが用意されました。これには私も特別な思い出があります。

当時 前の家元 勅使河原宏先生が パリに仕事で滞在していらして ジュネーブで教えていた 池田淑さんが 支部設立の御願いに宏先生をパリのホテルに訪問したのです。
そのとき海外部として随行していた私は ほかのスタッフとともにいて 池田さんを紹介しました。 
先生は機嫌よく (いいよ おおいにがんばってやりなさい)とえくぼを深くして激励をしておいででした。

私が仕事が終わると 日本料理に会員の方たちが連れて行ってくださいました。
(覚えてますか?宏先生ここがお好きだったこと?)髪が美しく銀色に輝く旧知のメンバーが言いました。
そう。あの後に何度も来ているジュネーブだけれどこのレストランは久しぶり。 確かあれは 先生が トゥーランドットの 舞台装置をここでなさったときだった。
先生ははるばる日本から来た私たちをこのレストランに呼んでくださり --そしてーー私は思い出しました。
そう! この席に先生は座ってらした!
鬼籍に入られたのは 先生だけではなく 御願いにきた池田さんもなくなって 何年になるでしょうか。
こうして 25年を迎えることができたのは 後に続いてきたみんなの努力でしょう。
いまこうして私が座っているのも 不思議なことです。
今 家元でお嬢さんの 茜先生もおいでになったとか。

湖のほとりのこのレストラン 外に出ると 月が出ていました。
かすかに チャップ チャップ と岸を打つ波の音に 25年の歳月は急速にちぢまり 本当に昨日のような そんな感じがしてきました。
ちょとした 私のセンチメンタルジャーニーとなりました。

The cake to celebrate the 25th year of the swiss branch







 

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