2009年3月29日日曜日

驚きももの記 今年の桜

はい 今朝 3月29日 7時半 東京の千鳥が淵へと上っていくお堀の桜です。まだ3分から5分咲きです。
一昨日大坂からの帰り 京都におりて 桜を探しました。吉野桜や 他の桜はまだ蕾でしたが 枝垂桜はほとんど満開でした。
京都はしたれ桜が一番に咲くのですね。出たばかりのやわらかい柳の芽も気持ちよさそうにゆれていました。

この間 俳人の長谷川櫂さんのトークにゲストとして招かれ 5作のデモをしました。櫂さんといろいろとお話もさせていただいたのですが 日本人と桜についてこのようにおっしゃっていました。

待つ たけなわ 惜しむ 懐かしむ
そして 待つことは 1)よきものが 2)過ぎ去るのを 3)あきらめながら 4)愛することーー永遠のものより 移ろうことを楽しむ --そんな 思いが日本人の桜に対してあるーーということでした。

私たちも 花を買うとき 満開のものは買わず 固いつぼみより 少し開きかけを選んでいる と思うことがあります。ただ長く楽しむというより 独特の美意識が私たちの血の中にひそんでいるのだろうか ーーと考えるときがあります。 

この日トークのおわりに 生けられた花を お客様のなかから抽選で当たったかたに持ってかえっていただきました。 当たってもお持ち帰りできないかたは 次のかたにさしあげますということだったのですが 始めに当たった二人は 男性でご年配の方。お持ち帰りになりますか?と私は少し心配したのですが はい!と とてもうれしそうに そして大事そうに 桜や 三椏などの入った紙包みをお持ちになりました。 

桜はみんなの心も ほころばせるのですね。桜を見上げている早朝の千鳥が淵を散策している人たちの表情を見て思いました。

2009年3月20日金曜日

驚きももの記


驚きももの記 Art of Dining

各界からの出品者がそれぞれ知恵を絞って そのセンスを競った Art of Dining 食卓の芸術展。
プレートの上に靴の乗った作品 お皿から全部手作りの材料は いろいろな色と種類の紙というのもありました。私の作品はチタンのワインクーラーと チタンのお茶たくに かわいい鳥のついた 白いお茶碗をおき センターにはチタンの花器に ブロッコリーとにんじん それに白いラナンキュラス、ガラスのお皿を重ねてその間にお箸をいれこんだりーー大きなオブジェには桜を主にいけました。チャコールグレーのナフキンの間からのぞくのは ピックに入れたチューリップと 麦 グリーンボールで巻きました。

ブロッコリーは 私のクラスのマダムが きれいな緑色を出すのにお湯をかけたらどうですか?という提案で 急遽クラスでお湯を沸かしてかけるといい色に。
では何枚かの写真をご覧ください。

2009年3月15日日曜日

驚きももの記 イベント2つ

こんどの18日水曜日 恵比寿のウエステインホテルで  国際難民支援会の主催で アートオブダイニング(食卓の芸術チャリテイ展示会)に出品を要請されました。出品者も全て自己負担だそうです。 そして どなたでもおいでになれますが 入場者は一人3500円の寄付だそうです。私はこんなご時勢ですので 知恵を絞って作品を完成させようと思います。 プロのテーブルデコレーターではなく各国の大使夫人 各界でご活躍の方が21卓出品をするそうです。

3月21日)新宿の朝日カルチャーセンターで (和)のかたち {1}というタイトルで 俳人の長谷川櫂さんの レクチャーにゲストでうかがいます。生ける花は数点ですが教育テレビの NHK俳句のゲストにもお呼びいただいた長谷川さんとのトークを楽しみにしています。2回目以降 隈研吾事務所のかたは日本の気候と建築 住宅の特徴ーーーなど私もぜひうかがいたい方たちがゲストです。

2009年3月4日水曜日

驚きももの記 加山又造展

新国立美術館で開催中の展覧会の 最終日の一日前、 やっと加山又造展に行くことができました。
どうしても見たい、そして懐かしい作品にあってきました。改めて感動しました。

大好きな作品の数々 そして平面にこだわらない 食器 内掛け アクセサリーなどなどを見ていくうちに 作家にあった日のことが思い出されてくるのでした。

1980年代 草月展に出品したとき 思いがけず賞をいただいたとき、勅使河原宏家元のほか数名の審査員のひとりが 加山又造氏でした。
 展覧会の私の作品の前にいると {面白いねえ}と 声をかけえてきた人がいました。それは小柄な男性で 私のキャンバスの立体に木賊を加えた 一メートル半くらいな作品を文字通り近くによって 覗き込んだのです。キャンバス地のジェっソをはがし そこに色をしみこませただ生地で立体の部分は制作をしたのですが それに注目してくださったようでした。
(どうやってこうしたの?) (何でそうしようと思ったの?)(絵の具は? --へえそうなの!)
とても熱心に見てくださり 気軽にいろいろな質問をしてくださいました。私はだんだんとその人が 誰か気がつきました。 すでに画壇からの注目を一身に集めていた加山氏の作品はとても好きで見ていましたが こんなに気さくなかたとは思いませんでした。。 

私はこのとき 大げさに言えば 質問をされる快感 --というものを知ったのです。
こんなところに注目してくれている。興味を持ってくれる。悩みぬいてそれが ふっと吹っ切れ 物を作ることが楽しくなっていったたときの作品だったのでひとしおでした。加山氏が 質問者ということもあったかもしれません。
当時すでに名を成していたかたの質問なのにもかかわらず 上からの視線でなくて 同じものを作る人としての興味というものが感じられたのです。

しかし質問をするのも生徒を育てる方法だなあと つくづく思ったのものでしたが 次々に展開される ダイナミックな構図を楽しんでいると まるであの展覧会での出来事が 昨日のことのようによみがえってくるのでした。