2009年8月7日金曜日

驚きももの木 フランセのおばちゃん

子供たちは 今頃夏休みを満喫していることでしょうl。 9月に宿題をいっぱい抱えて学校に 戻ってくるまで 精一杯楽しんで欲しいですね。

私の通った学校は 小学生から制服がありました。9月の新学期には 制服の白さが目立つくらい 日焼けした女の子たちが 又友達に会うのを楽しみに登校してきたものです。

フランセのおばちゃんと私たちがよんていたかたは きものの上に 紺のうわっぱり メジャーを首からかけ 髪を高い位置でまとめ 学校の中を忙しそうに歩き回っているのを時折見かけました。彼女は生徒たちが制服をあつらえる店のオーナーだったのです。 

入学の制服採寸のとき この方はお母さまたちに言いました。(制服は夏冬とも 2着は つくってください。 よごれたときの代えもそうですが 子供たちは成長します。スカートなどは丈を出せるように見返しをたくさんいれていますが ある時点で 制服をほどいて 生地を裏返しをしてお嬢さんの成長にあわせて仕立て直し  また使っていきます。その間に予備としてどうしてももう一枚必要です。)

学校から帰り 早く制服をハンガーにかけなさい といわれ ひだのあるスカートは寝押しをし 絹のガーネット色のネクタイは よくアイロンをかけさせられました。けれど毎日着て消耗の激しい制服は 数年後のある日 またこのお店に持っていかれ 裏返しをされ 仕立て直されたのでした。体にあって しかも新しくなった制服をみて 私は子供心に感心たものです。

同じ制服を 裏返して仕立て直して着ることは 近頃はあの学校ではどうなのでしょう。
物を大事にするということが この時期の生活の中にどこでも 当然なこととしてあった気がします。それは戦後のもののない状態だから ということもあるでしょう。けれども今の生活を見直してみれば それとは ほど遠く 洋服でも捨てるということに 抵抗感はあるものの空間の狭さなどを理由として 納得させている自分自身を意識することがあります。そんな昨今だからこそ あの 紺の制服が フランセのおばちゃんが  懐かしく思い出されるのです。

私も人生という制服は ずっと前に裏返しをしていたのでしょう。後どのくらいあるかわかりませんが 
あの制服を最後までいとおしむように着たことを思い出し 人生の卒業まで丁寧に生きていきたいと思います。 

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