2008年5月17日土曜日

驚きももの記ーー驚き

5月は 長いことかかわっている専門学校の 選択科目のひとつ いけばなの授業が始まります。
一年生で 15回のみ。 当然のことながら 毎回新しい人たちが 教科書の1の1からはじめます。

授業初日ははさみなど申し込んだ道具の受け渡し 教科書の配布など することがいっぱい。でも18歳くらいの興味深々の生徒たちに会うのも楽しみです。 ほかに コーラス 写真 英語 ブライダルについて ジャズダンス 書道 気功などなど 20近い選択科目のうちから 1つ選んだわけですから。

漢字がずらりと並ぶ名簿をみて 私は うれしく しかし複雑な気分になりました。漢字をよく見ると 日本人の学生は 半分以下でした。どうして日本が世界に誇るものに 興味がある人が若い人にはすくないのでしょうか。しかし外国人の生徒たちが せっかく日本に来たのだから といけばなを選択してくれたわけで それはそれでとてもうれしく思ったのでした。

授業をはじめ 実際にいける段になると教室にはいろいろな言葉が飛び交いました。
言葉の理解が十分でない同級生に 今わかったことを手を添えながらすぐ教える生徒も。
(これから授業の復習として 使った花材を持って帰り 家でいけてくださいね。必ず水切りはしてください。お花が生き返るためにね・〉
家に花器がない人は 水盤や 投げ入れ花器をを申し込んでください。ということも道具の申込書に書きました。毎年 花器はどこで買えますか?という質問が来るからです。申し込んだ花器も本人に手渡しました。
(学校に備え付けの花器はありますが 今日はこれからお家でいける自分の水盤を使ってもいいですよ。)と 授業のはじめに言いました。生徒たちはうれしそうに自分が選んだ色の真新しい水盤でいけていました

授業が終わると一人の生徒がブルーの花器を持って教壇にきました。
(先生 この花器を頼んだのですが 返していいですか?)
話が見えなかったので聞き直すと (教室で使うと思ったから 申しこみました。)
!?!?????
(お家で生ける器があるの?)
(ありません)
(いけばなは 家に帰ってもう一度いけると 復習にもなるでしょう。花の性質もわかるわ。)
(でも場所がありません)
(小さい花器だし どこかあるでしょう。お玄関とか 棚の上とか)
(でもわたし 学校を終えたら国に帰ります。そのときいりません〉
(でもその前に一年間 授業は15回 あるのですよ。)

なんだかクラクラしてきました。お稽古をしたお花はどうするつもりなのだろうか。結局彼女はその花器を 東京の自分の住んでいるところに持って帰ることにはなりました。

前にも 近くの駅のトイレのゴミ箱にお稽古したばっかりの包まれている花材が 投げ込まれているのを見た先生がいて問題になったことがあります。
生きているものの命の大切さ 弱いものへの心遣い そこから教えていかなければならないでしょうね。授業中だけで 完結するものが学ぶということではないことも。

外国人を教える ということは慣れているつもりでしたが。。。。
気を取り直した私は 彼女がこの一年間 どう変化していくか 見守っていこうと思いました。

 

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