2010年1月18日月曜日

驚きももの木 関西へ

いけばなインタナショナル 神戸支部のお招きで新年会で デモンストレーションをさせていただきました。西の花市場は まだ枝物は品薄といわれあわてました。福岡に電話をして 生産者の方に何があるかチェック。東京も花屋さんに電話をして何が出回っているか聞くということをして 大坂のお花屋さんにお願いしました。見事な3メートルの熱海桜が手に入り 当日舞台の上で5分咲きに。フィナーレに使いました。ほかにぼけや レッドウイローなどを春の花とともに 華やかにドレスアップしたお客様の前で11作をいけてきました。
熱海桜は 河津桜の系統で 寒緋桜の一種でしょうか。ピンクの濃い花がとてもかわいらしかったです。

一日おいて 大坂の新年会に出席のため大阪に残りました。そして次の日本当に久しぶりに奈良に行きました。 電車を降りると 雪がちらほら舞いだし 歩いている鹿の背中に そっと消えていきます。
たった一人の旅の底冷えに 早く大阪に戻ろうと思ったのですが いくつかお寺をめぐり 最後にやはり東大寺によらなければと参道を歩き始めました。
大仏殿の前に立つと この前ここにたったのはいつだったかしらと 懐かしい気持ちになりました。入口で
落慶法要という色のあせた ポスターを見つけました。昭和55年。そう あれは前家元 勅使河原宏先生のときでした。献花式があり なみいる先輩方に混じって先生の後に続く列のなかに おそろいの着物を着て 松をささげもち この石畳を歩きました。あとで式が記録フイルムになったとき 先生がいけている間 後ろでひかえていた私を発見。 なんだか右と左に揺れていました。このとき足がしびれ 立つ時必ず転ぶと思ったからでした。東京での リハーサルで一同 観世栄夫さんに 歩き方を見ていただき なれない着物をきてわたしは その日から緊張しまくっていましたっけ。
献花式の当日は確か 奈良は 土砂降りの雨と風でした。
(大丈夫 晴れるから) と宏家元の言葉に わたしたちは空を見上げました。そして本番の一時間前 なんときれいに晴れ上がったのです。宏家元は 晴れ男 というのは本当でした。

55年というと何年前になるのかしら 懐かしい思いがこみあげ 空を見上げると さっきまで雪がちらついていたのに 雲が切れて青空が見えているではありませんか!
(そーれみろ! あっはっは!)
豪快な笑い声が あのときのように空のかなたから 聞こえてきたような気がしたのは錯覚でしょうか。 

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