2009年3月4日水曜日

驚きももの記 加山又造展

新国立美術館で開催中の展覧会の 最終日の一日前、 やっと加山又造展に行くことができました。
どうしても見たい、そして懐かしい作品にあってきました。改めて感動しました。

大好きな作品の数々 そして平面にこだわらない 食器 内掛け アクセサリーなどなどを見ていくうちに 作家にあった日のことが思い出されてくるのでした。

1980年代 草月展に出品したとき 思いがけず賞をいただいたとき、勅使河原宏家元のほか数名の審査員のひとりが 加山又造氏でした。
 展覧会の私の作品の前にいると {面白いねえ}と 声をかけえてきた人がいました。それは小柄な男性で 私のキャンバスの立体に木賊を加えた 一メートル半くらいな作品を文字通り近くによって 覗き込んだのです。キャンバス地のジェっソをはがし そこに色をしみこませただ生地で立体の部分は制作をしたのですが それに注目してくださったようでした。
(どうやってこうしたの?) (何でそうしようと思ったの?)(絵の具は? --へえそうなの!)
とても熱心に見てくださり 気軽にいろいろな質問をしてくださいました。私はだんだんとその人が 誰か気がつきました。 すでに画壇からの注目を一身に集めていた加山氏の作品はとても好きで見ていましたが こんなに気さくなかたとは思いませんでした。。 

私はこのとき 大げさに言えば 質問をされる快感 --というものを知ったのです。
こんなところに注目してくれている。興味を持ってくれる。悩みぬいてそれが ふっと吹っ切れ 物を作ることが楽しくなっていったたときの作品だったのでひとしおでした。加山氏が 質問者ということもあったかもしれません。
当時すでに名を成していたかたの質問なのにもかかわらず 上からの視線でなくて 同じものを作る人としての興味というものが感じられたのです。

しかし質問をするのも生徒を育てる方法だなあと つくづく思ったのものでしたが 次々に展開される ダイナミックな構図を楽しんでいると まるであの展覧会での出来事が 昨日のことのようによみがえってくるのでした。

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