何の花が一番好きかーと問われれば 迷うことなく 萩 ということでしょう。
咲きかかる萩の中を 今年も歩いてみたい。 風に揺れている萩 やがて花がこぼれるように散っていく萩の姿も素敵ですね。よく見ると小さな花が 本当に可愛らしい。
ところがどっこい!いけようとすると とんでもない本来の性格をあらわします。
バケツに水をいれ はえている根元に持っていって 切ってから それこそ何分の一秒というくらいの早さで水の中にいれ 茎を切って割ったりして水あげをしても やがてしなしなとなりはじめます。
その上 いけにくい。私のいけばな人生の中で お花屋さんで見かけたのはただ一回だけでした。栽培して 流通させる、といったたぐいのものではないのでしょう。確か大きな町中の花屋さんではなかったので 市場から持ってきたのではないのかもしれません。
大学を中退して お嫁にいらした家庭教師の先生が 嫁ぎ先のお母さまに 何々子さん お花のお免状を持っているのだから お庭の萩を竹かごにいけておいてねーといわれ いけ始めたものの どうにもならなくなり 泣きだしてしまったという話を母から聞かされたものです。当時私は いけばなはまだ習い始めてはいませんでした。でもきっとこの話は 幼いわたしの脳裏のどこかに刷り込まれたのでしょう。ふーん、萩の花を ちゃんといけないとお嫁に行っても大変なのだ!
ところが私自身は その後 お花のお稽古ーといえばあるときは楽しく あるときは帰ってから花材を水につけて何日もほって置き 母にしかられたものでした。
お嫁にいらした先生は 数年前、ずっとお年が上だったご主人をなくされました。どうしておいでかなと思っていましたが 今年の年賀状には とうとう末の息子さんも結婚なさり 今は自分の人生を大いに楽しんでいるということが書かれていました。ご本人はこの話覚えておいででしょうか。ひょっとしたら中学生の私は 自分では気がついていなかったけれど いけばなを習い始めた理由のひとつだったかもしれません。
お彼岸の前に 鎌倉の萩を 時間をやりくりして見に行きたいなと ふと思いました。
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1 件のコメント:
萩といえば、伊達政宗の書簡で知られる武蔵五日市の大悲願寺も見頃だそうです。
以前、やっと辿り着いた時には、陽は西に傾いていました。
「釣瓶落とし」を恨めしく想った秋の一日でした。
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